ジョヴァンニ・ソッリマ
1962年イタリア・シチリア州パレルモ出身。音楽家一家に生まれたソッリマは、パレルモ音楽院で、Giovanni Perrieraからチェロを、父エリオドロ・ソッリマから作曲を学んだ。優秀な成績で卒業後、シュトゥットガルト音楽大学とモーツァルテウム音楽大学で、チェロをアントニオ・ヤニグロに、作曲をミルコ・ケレメンについて学んだ。ソッリマの音楽はミニマル・ミュージックの影響を強く受け、作品はモーダルなメロディと反復的な構造を特徴とすることが多い。アメリカ合衆国のミニマル作曲家よりも多様かつ取捨選択的なアプローチが特徴であるため、アメリカ合衆国の批評家Kyle Gannはソッリマをポストミニマリズムの作曲家と見なしている。 またこれに加え、クラシック、ロック、ジャズ、ポップス、中東~地中海~アフリカに及ぶ民族音楽など、様々な音楽の素材を自在に取り入れ融合させた独特な作風で知られている。これまでクラウディオ・アバド、フィリップ・グラス、ヨーヨー・マなど多くの巨匠と共演。アメリカではパティ・スミスとのコラボレーションも行い、ピーター・グリーナウェイ監督の映画『レンブラントの夜警』には、ソッリマの作曲した『チェロよ歌え!』、『Spasimo』が随所に使用されている。2013年と2014年の2年続けてイタリアの“La Notte della Taranta”フェスティバル(13万人動員)のディレクター/指揮兼コンサートマスターを努め、近年は「100チェロ」というプロジェクトも行っている。
エンリコ・メロッツィ
イタリア出身の作曲家、指揮者、チェリスト、プロデューサー
1977年、イタリア中部のアブルッツォ地方の町テラモで生まれ、幼少期から音楽への情熱を育み、チェロのトップクラスの音楽院を卒業。モーツァルトに傾倒し作曲を勉強し、2人のイタリア最大の映画音楽作曲家フランコ・ピエサンティとエンニオ・モリコーネのインスピレーションの影響を受けて映画音楽の作曲技法も開発。これまでに多数の短編&長編映画、そして舞台作品やオーケストラのための楽曲制作を行い、2007年にはローマを拠点とするインディペンデントレーベルCinik Recordsを立ち上げ、わずか数年で約30作品ものリリースを果たす。
2012年に、世界的に有名な作曲家でありチェロ奏者のジョヴァンニ・ソッリマ Giovanni Sollimaとともに「100チェロ」プロジェクトを立ち上げ、ローマのテアトロ・ヴァッレ、ミラノのトリエンナーレ、プダペストの大聖堂などでこれまで様々な場所で開催している。
100チェロ (100 CELLOS)
「100チェロ」企画は、世界的な天才・鬼才チェリスト、ジョヴァンニ・ソッリマを中心に、国境、世代、キャリアを超えて100人のチェリストが集い、その場所、そのメンバー、そのときでしか生み出し得ないエネルギーに溢れたチェロ・アンサンブルを披露する創造的かつ革新的なプロジェクトです。
通常のオーケストラのように予め決められた譜面やパートに従ってアンサンブルを構成するのではなく、100人が寝食を共にしながらクリエーションを行うことで、自由な発想と表現欲の赴くままに譜面やパートを作り替えながら、ソッリマのもと芸術性の高いアートへと昇華します。ヨーロッパ各地でも繰り返し開催され、垣根を超えた自由な音楽文化の発信を続けています。